貧脚走法

貧脚でも走りたい。

2023年 PBPの準備と撤退の記録 撤退編

 DNFはしたもののブルベは自己責任、パリまでは自力で戻らないといけません。時刻は19:00なのでTGVを使っても今日中には戻れないし、そもそも駅まで数十kmもあります。今日はどこかに宿をとって明日行動することにします。

 こんなときはGoogle MAPでホテル検索して、数百mのところにホテルを見つけました。スマホになってこういうのは本当に便利になりました。マップ上では1泊120ユーロと表示されていたけど、ここは慌てずにまずホテルに向かいます。

PC近くのホテル

 ものの数分でホテル前に到着、レストランの電気は消えてたけど奥のフロントにおっちゃんがいることを確認したので意を決してドアを開ける。まずは「ボンジュール」挨拶は大事、この後はスマホの翻訳アプリ「VoiceTra」を駆使して今日1泊したいこと自転車を保管させてくれるかを伝えました。宿泊は可能で1泊100ユーロとのこと、やはり直接聞いた方が安かった。日本でも宿泊サイトを使うよりも、ホテルのサイトからや電話での確認をした方がお安いことが多いです。

今日のホテル

 自転車は部屋には入れられないけどこっちに持ってくるようにと奥の広間を案内されました。すでにDNFまたは休憩していると思われる方の自転車が10台くらい停められていて、これなら安心して置いておけます。

広間に停められた自転車

 ヨーロッパの一般的なホテルでよくあるようにエアコンは無かったけど、日本の熱帯夜のようにはならずチェックアウトの11:00までゆっくりと休みました。
 ここからTGVの駅までは約37kmのランバルと約40kmのサンブリューがあり、少しでもタクシー代を安く上げようとランバルに行こうとしましたが、タクシーをお願いするときに宿のおっちゃんがサンブリューの方が大きな駅でパリに行きやすいと言った(ように聞き取れた。)ので、そちらに行くことにしました。(その通りでした。)
 タクシーはちゃんと自転車が積み込みやすいように、ルノーのバンを手配してくれて何の問題も無く出発。タクシーのお兄ちゃんも陽気で色々と話しかけてきてくれたけど、こちらの英会話能力が無くてほとんど受け答えが出来なかった。こういうところをもっと出来るようにしておけば旅を楽しめるし、PBPを走る上でも他の参加者と交流できてメンタルを保つことが出来るかもしれない。走力とともに今後の課題としたい。

 1時間ほど走ってサンブリューに到着、フランスは無料のバイパス道路が整備されていて半分くらいは110km/hで走れて快適だった。ここまでの料金は120ユーロ、最初にカードは使えないよと言われていたので現金で支払う。こういうときのために現金も2〜300ユーロは持っておきたい。

サンブリュー駅

 後から知ったけど、ここサンブリューはフランスの有名な自転車選手であるベルナール・イノーさんの出身地とのこと。ブルターニュ出身とは知っていたけどこのあたりだったんだなあ。

 そしてTGVの大きな駅とのことでDNFした人たちがいっぱい居る。フランスの鉄道はほとんど自転車をそのまま持ち込めるけど、TGVだけは例外で輪行状態にする必要がある。フランスで輪行状態の自転車をこんなにいっぱい見るのは初めてだ。(前回DNFしてTGVに乗ったレンヌはまだ序盤だったのでほとんど他の自転車を見なかった。)

自転車がいっぱい

 TGVの切符は自動券売機で買えます。行き先と座席種別を選ぶのは日本と同じだけど、名前と年齢の入力も必要になります。名前は特に意味は無さそうだけど、年齢は歳に応じて割引になるので正直に入力しよう。もしかすると検札のときに証明書を求められるかもしれない。(私は割引無しの年齢なので何も言われなかった。)
 自動券売機で買った切符はレシートのような紙で出てきます。これにはQRコードが印刷されていて検札時にはこれを見せるだけで済みます。ヨーロッパの鉄道でよくある入場時に検札機に入れて改札する必要は無く、そのまま列車に乗り込めます。
 ちなみにサンブリューからパリまでの1等車の値段は103ユーロでした。1等車にしたのはゆっくり休みたいからでは無く2等車は満席だったため。TGVは結構混んでいることが多いみたいです。(2回しか乗ってないですがほぼ満席でした。)

TGVの切符

 それからTGVは多少のトラブルがあっても割とそのまま運行することがあるようです。今回は行先表示板にトラブルがあって、ブレスト行きと表示されていました。この時間に出発するのはこの列車しかないため、混乱しましたがホームの駅員に「ディス トレイン イズ パリ?」などとおかしな英語で聞いてもイエスと言ったので信じて乗り込むと、ドアのところに張り紙でパリ行きと貼り出してありました。でもここはドアが開いていると見えないところなんですけどね。(^^;

行先変更の貼り紙

 ところで宿のおっちゃんが言っていた通りこの駅はTGVの主要駅でした。貼り紙を見ると駅名はブレスト→サンブリュー→レンヌ→パリの4駅だけ、まさに日本でいうところの「のぞみ」停車駅でした。おそらく隣のランバルは「こだま」停車駅、しかもパリ直行は無さげで「レンヌ」で一旦乗り換えが必要だったようです。

 TGVのレンヌからブレスト間は在来線の線路を使っていて、揺れはそれほどでもありませんがカーブの曲線がきついのか横Gがきつかったです。輪行している自転車を結びつけておく手すりのようなものも無いので、立てたままにしておくと何度も倒れてしまいました。レンヌから先はそれほどでも無かったのでそれまでは自転車のそばに居た方か良いかもしれません。ちなみにヨーロッパの鉄道では指定席でもその人が来るまでは座っていてもよいという習慣があるようなので、切符の席に人が座っていても一声かければよいと思います。

 さてTGVは数時間でパリのモンパルナス駅に到着しました。ここで注意したいのはTGVが到着したホームの階の券売機はTGV用のものしか無いこと。在来線で宿泊地に帰る場合は下の階の券売機で買わないといけません。私のようにサンカンタン・アン・イブリーヌに宿を取っていて、駅名が無いからと言ってサンカンタンで買ってしまうと、全然違う場所の切符を買ってしまうことになります。

 ちなみに今回は昼間にパリに着いたので列車で帰りましたが、前回は夜遅くになってしまったのでタクシーで帰りました。モンパルナスからサンカンタン・アン・イブリーヌまでのタクシー代は約50ユーロでした。

輪行中の様子

 さて地球を1周(往路はカナダの北を飛行して大西洋から、復路はアジアを横断した。)して挑んだPBPでしたが、今回もDNFという結果に終わりました。今後も挑戦するとすればもっと本気で減量して登坂の練習もする必要があると思います。アオバヒドイとか言ってますがPBPを目指すならこのくらいは必要ということですね。今後とも精進することにします。