貧脚走法

貧脚でも走りたい。

2023年 PBPの準備と撤退の記録 DNF編

 準備で一つ書き忘れましたが、SIMはOrangeHolidayを使用しました。
 買ったばかりのiPhone13MiniにはpovoのeSIMを入れていてSIMスロットは空いていたので、OrangeのSIMカードは無くさないようにすぐにiPhoneに入れました。渡航まで1ヶ月くらい入れっぱなしでしたが、フランスに到着して設定でOrange側のSIMをオンにしただけですぐに使えるようになりました。飛行機の中や空港でバタバタ変えるよりSIMスロットが空いていれば日本で落ち着いて入れ替えておくと良いと思います。
 予備回線はpovoのローミングを使うつもりでいました。必要になればトッピングすればすぐに使えるようで、実際には電波は掴んでいてSMSの受信を行うことができました。(受信は無料)ローミング先はどこか分からなかったけど予備としては充分だと思います。

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 無事にホテルに到着して自転車の準備です。

 私は登り坂が大変苦手で多少の軽量化は効果が少ないので、少しはましな平地と下り坂のためにフルサイズのエアロバーを装着しました。ただどちらかというと空力より手の平の痺れ対策を重視しているので、60mmのスペーサーを入れてポジションを高くしています。これの副次的効果としては肘を置くブラケットの下にスペースが空くので、フロントライトをハンドルにそのまま付けれることです。ライトホルダーのような追加のパーツを取り付ける必要が無いためハンドル周りがスッキリとします。

 ライトはすでに定番となった感のあるCATEYEのVolt800Neoをメイン、Volt400をサブに使いサドルバッグの奥に予備のURBEN2を入れておきました。夜間走行は一晩しかしていませんが特にトラブルは起きませんでした。他の雨ブルベでもノートラブルで走れているので今後もこの組み合わせで走りたいと思います。

 GPSサイコンは型落ちとなりましたがこれも定番のGARMIN Edeg530とeTrex30xです。Edge530の方はPCを見落とさないようにPB毎にコースを設定して残り距離を表示するようにしています。

 サドルは私が走った唯一の1,000km超ブルベのオホーツク1,300kmでも使用した実績のあるSELLE ANATOMICAのX1です。このサドルでも股ズレには悩まされましたが圧迫痛は他のサドルよりマシな感じなのでPBPでも選択しました。ただこのサドルはレール後端が広がっていてオルトリーブの金具が付けれなかったので、Brackburnのホルスター型のサドルバックを使いました。金具で止めないので横揺れを懸念しましたがしっかり取り付ければ気になることはなかったです。

自転車の準備

 さて前日受付も滞りなく終わって帰路についたのですが、列車の様子がおかしいです。どうも次々と駅を通過してホテルのあるサンカンタン・アン・イブリーヌ駅も通過してしまいどうやら快速列車だったみたいです。行きはほとんどがランブイエ行きなので間違うことは無いですが、帰りは種別に気を付けないとこのようなことになるようです。ただ数駅先のベルサイユ駅には停車するので慌てずに逆の列車に乗り換えれば30分ほどの時間で戻ってこられます。

 

スタート

 スタートしてから前回DNFしたフジェールまでは特に問題無く走れました。問題に思っていた登り坂も新しく導入した12速の前32T、後34Tで遅いながらも進めます。あと今回フランスを走っていて初めて気がついたのですが、GARMINのEdge530はランドアバウトの出口が何番目かを教えてくれていました。ちょっと怪しい日本語で「3番目の○○方面」のような感じです。これに気がついてからはどこで出るのかをあまり悩まなくなりました。

 さてここからは初めて走る区間です。フジェールの街中はかなりのアップダウンがありましたがまだまだ元気に進みます。ただその次のPCのタニティニアックを過ぎるとアップダウンが連続してきます。やっと登りきったと思うとちょっと下っただけでまた次の登り、登り切って平地になったと思ったら下らずに次の登り...
 とうとう何度か目の登りでは思わず足を着いてしまいます。休んでいても前に進まないので押し歩いて行きますが登り切ってもまた登り、街の人は応援してくれますし他のランドヌールも肩をたたいて励ましてくれます。
 しかし足が動いてくれず情けなくて絶望感が湧いてきます。

 何とかドロップバッグを置いてある一大拠点のPCルディアックに到着しましたが、疲れ切って憔悴しきっていました。これまで15〜20km/hを保っていた平均速度もこの区間では13km/hと大幅に低下してしまいました。

 先を走っていた同行者にはもうダメかもしれないと弱気な発言をしてしまいましたが、ゆっくり休んで考えるといいよと言われました。しかし体がいうことを聞かず精神的にも追い詰められてしまっていて、チェックを受けた直後にDNFの宣言をしてしまいました。

 しかしこの時点での時間は19:45、PCクローズは22:34なので3時間近くの時間がありました。着替えもあるのでしっかり補給してシャワーを浴びて仮眠してから判断しても遅くはなかったはずです。そのあたりは事前に計画を立てて分かっていたはずですが実際にはメンタルがやられて正常な判断が出来なくなっていたようでした。

 あとはあまりにも早く走ろうとしてPCや休憩所ではカフェでサンドイッチやケーキだけでタンパク質やビタミンが不足していたのもいけなかったのかもしれません、あと飲み物もポカリスエットが無性に飲みたくなっていたのでパウダーを持ってくればよかったと走行中はずっと考えてました。フランスではそういった飲料はほとんど売っておらず、PCの売店で売っているタブレットを溶かして飲むものと聞いたのでその辺りもリサーチ不足でした。

補給は大事

 さて大きなPCのルディアックですが、この時間からパリに戻る手段はありません。今日はどこかに泊まって明日戻らないといけないなあ。